学びのつぼ

テストで点を取る方法

問題文の情報 まず整理 

 学習塾では毎日のように大なり小なりテストがあります。その結果は、日頃の勉強への取り組みが反映されます。とはいえ、実はどの教科にも、ミスをせず少しでも高い点数を取るための留意点やテクニックが存在します。もし心当たりがあれば、ぜひ参考にしてみてください。
 例えば国語。読解問題の中に「文中から正しい答えを○字で抜き出しなさい」という形式があります。当然、答えは文中にそのままあるのですが、指定の文字数の塊から探し始める生徒がいます。本来は、問われた内容に対して意味が通る部分を絞り、最後に文字数を合わせて正答を導き出します。ですが、この生徒は字数ぴったりの部分を探す意識が強すぎるあまり、問いに関係のない所まで文章を追ってしまうタイプです。これでは時間もかかり正答率も下がるので気を付けたい点です。
 理科や社会は図や表、グラフが使われるケースが多い教科です。ただ教科書などで見慣れている、そうした図表にこそ落とし穴があります。いつもとは反対に描かれていたり、単位が微妙に変えられていたり。これはテスト特有の惑わせる仕掛けです。このわなに引っ掛からないよう問題文をしっかり読み、図や表、グラフを繰り返し見て、そこに書かれている情報をあらかじめ整理してから解くことを心掛けてください。
 そして算数。入試や模擬試験では最初に計算問題、次に比較的易しい小問、そして歯応えのある大問という構成になっているケースが多いです。順番に解いていくのが基本ですが、実は最初の計算問題で単純ミスをしてしまう生徒がとても多いのです。なぜなら、テストの時、最も緊張しているのは開始の直後で、これが焦りを生み、本来であれば確実に得点源にしたい計算問題でミスをしてしまうのです。
 簡単な小問から解いて緊張をほぐし、ある程度頭と手の動きがスムーズになったら計算問題をやる。塾ではこんな解き方も指導しています。いずれにせよ、算数のテストは時間との闘いです。解く順番と解く問題の取捨選択が重要です。
 一方で、テクニックには限界があります。テストの点は普段の勉強の成果で、近道はありません。ペンキの塗り残した場所を何度も上塗りしていくように、間違った問題を丁寧に解き直すという地道な学習が、やはり王道なのです。

 

2019.12.16朝刊掲載

(転載に関しては中国新聞社の許諾を得ています)

 

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