学びのつぼ

休校中の過ごし方

家事など「仕事」加えて 

  新型コロナウイルスの感染拡大を受け、広島県内全ての公立の小中学校などは新学期を迎えた途端、再び臨時休校になりました。大半が5月6日まで休みになり、これまでの一斉休校、春休みを含めると約2カ月もの休みとなります。
 自宅で過ごす日がこれだけ長く続くと、子どもの日常のペースはかなり崩れてしまっているでしょう。朝起きられない、だらだらと過ごしてしまう…。以前より過ごし方が明らかに良くないと感じている保護者も多いようです。塾に通っていない子どもは授業らしい授業を受けていないわけですから、学習面の心配も尽きません。
 考えてみると、大人には、非常事態とはいえ通勤や仕事、家事といったルーティンがあります。生活リズムは大きく変わっていないのです。一方、子どもたちは学校が休みになってルーティンを失い、「時計」がおかしくなるのも無理はありません。

 子どもの1日は、ただでさえ大人より「長い」のです。年齢を重ねるほど1年が短く感じられるのと同じ理屈です。それだけに、学校がなくルーティンに縛られない日々は、時間感覚を相当に鈍らせます。大人でも長期休暇後、仕事のペースをつかめないことがありますよね。
 では、どう対応するべきか。本来なら学校へ行くはずの平日は、朝から一日のスケジュールを決めて過ごさせましょう。
 ただ、子どもが自力で勉強を習慣にするのは簡単ではありません。保護者が寄り添い、勉強する時間をつくりましょう。保護者が日中、家にいる家庭は午前中に、不在の家庭は夜に2~3時間程度を確保し、学校から出された宿題を中心に取り組みましょう。
 それ以外の時間には家事をさせてみてはいかがでしょう。たっぷり時間がある今だからこそ、例えば「洗濯物を干す」「掃除機をかける」「食事作りを手伝う」といった家庭内の仕事を子どもに経験させるチャンスです。
 対価として、少額のお小遣いを渡してもいいですね。「働く」という体験を通して、いつもとは違う学びを与えられるでしょう。
 勉強や遊び、そして家事などの「仕事」の時間をプラスすれば、1日のスケジュールはそれなりに密度を保てるはずです。生活に規則的なリズムがあること。子どもにとって今は、これが最も大切なことです。

 

2020.4.20朝刊掲載

(転載に関しては中国新聞社の許諾を得ています)

 

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