学びのつぼ

「小1プロブレム」と「9歳の壁」

親は注意深く見守ろう 

 新年度がスタートしました。まずは全ての親の関心事でもある、新学年へ進級するにあたり気を付けたいことをお話しします。
 この春、小学校に入学する1年生には「小1プロブレム」の心配があります。これは、授業中に学習姿勢を保つことができない、集団行動になじめないといった状態に陥る児童が出てくることを指します。
 幼稚園や保育園では生活の中心が「遊び」でしたが、小学校では突如として「勉強」中心に変わることが主な要因です。担任の先生の経験値によっても対応に差が出る傾向があります。もちろん、学校もチームティーチングの導入など対策を進めていますが、何より大事なのは家庭との連携だといわれています。
 親が焦りを感じ、家で厳しく注意するあまり、子どもは萎縮し、そして自己肯定感を失っていく可能性があるのです。これでは逆効果。親は学校の対応を信じて任せ、家庭では子どもの思いに共感することで、我慢強く見守るのが一番ではないでしょうか。
 新学年になってどのように学習時間を確保するべきか。進級するたびに学習内容も難しくなっていくのは当然です。特に中学年である3、4年生の親は気になるところでしょう。この時期、算数でいえば分数や小数といった、子どもが具体的にイメージするのが難しい学習内容が登場し、急につまずき始めることがあります。それを「9歳の壁」といいます。
 子ども自身は、成長の過程で親離れの傾向が出てくる時期でもあります。そのせいでわが子に距離をとってしまいがちですが、勉強面では注意深く観察する必要があります。もしここで「分からない」「できない」といったものを放置すると、後々取り返していくことが困難になるのです。
 必要以上に口や手を出すのはよくありません。できれば毎日決まって宿題をする時間に少しだけでも寄り添うなど、子どもが落ち着いて家庭学習ができる環境面のサポートを意識していただきたいものです。
 小1プロブレムと9歳の壁。進級に伴って直面するいずれの問題も、まずは親が事前に知っておき、その上で子どもをしっかりと見守ることが大切なのです。
 来年には学習指導要領の改訂で、小学校でも英語が教科となり、プログラミングの授業が必修化されます。次回以降、そうしたことも取り上げていきます。

2019.4.1朝刊掲載
(転載に関しては中国新聞社の許諾を得ています)

 

学びのつぼ|中国新聞デジタル https://www.chugoku-np.co.jp/life_information/education/article/?category_id=1119&page=1