質問するのが苦手です。どうしたらいいですか?
わからないところがあっても、質問するのが苦手で、なかなか先生に聞きに行くことができません。どうしたらよいですか?

実は、同じ悩みを持っている人はたくさんいます。まずは、小さな「わからない」をそのまま質問することから始めてみましょう。
生徒から、よくこんな相談を受けます。
「質問するのが苦手です。」
「何を聞けばいいのかわかりません。」
「こんなことを聞いてもいいのかな、と思ってしまいます。」
実は、こうした悩みを持つ人は決して少なくありません。
受験について話をすると、「成績が伸びる人ほど質問をする」という話をよくします。実際、これまで多くの受験生を見てきた中で、本当にその通りだと実感しています。
中学部に在籍していたA君も、そんな生徒の一人でした。入塾時の成績は平均くらい。しかし、志望校である国泰寺高校との学力差を知り、「このままでは届かない」と毎日夜遅くまで勉強するようになりました。
授業では、年度の初めから何度も、「わからないことを、そのままにしない人ほど伸びるよ」と伝え続けていました。
すると、A君は少しずつ質問に来るようになりました。
最初は、
「この英単語の意味がわかりません。」
「解説の意味がわかりません。」
そんな基本的な質問ばかりでした。
しかし、それでも一つひとつ疑問を解決しようとする姿勢は変わりませんでした。
そして冬期講習の頃。テキストを解き終えたA君が、厚いテキストを抱えて質問に来ました。解説まで読み込み、それでも理解できなかったところには付箋がびっしり。その数は20か所以上ありました。
質問の内容も、以前とは変わっていました。
「この単語は、なぜここではこの意味になるのですか。」
「どうして、この解き方になるのですか。」
単に答えを知りたいのではなく、「なぜそう考えるのか」を尋ねる質問が増えていったのです。
一つひとつ確認していくと30分では終わらず、翌日に続きを行ったほどでした。
しかも、A君は英語だけでなく、5教科すべての先生のところへ質問に行っていました。わからないことを、そのままにしない姿勢を貫いていたのです。
中には、こちらが「なるほど、その視点は鋭い」と感心するような質問もありました。
質問を続けることで、学力だけでなく「質問する力」そのものも育っていったのです。
彼は、おそらくクラスで一番質問をした生徒だったと思います。
そして2か月後、高い倍率も突破して彼は国泰寺高校に合格しました。
もちろん、合格した理由は質問だけでなく、毎日の努力があったことは言うまでもありません。
けれど、A君の姿を見ていると、質問することは、目の前の問題を解決するためだけのものではないのだと感じます。
わからないことに出会ったとき、自分から誰かに聞き、調べ、考え、解決していく。
そうした学び方そのものが、中学生の頃から少しずつ身についていったのではないでしょうか。
そして、その力は高校生になった今も、A君の学びを支えています。
A君は現在、高校部に通っています。関西圏の難関大学への合格を目指し、高校部で週5回学びながら、バスケットボール部の活動にも週5日取り組み、忙しくも充実した高校生活を送っています。この夏にはオープンキャンパスにも足を運びました。
そして、中学生の頃に身につけた「質問する習慣」は、今も続いています。わからないことがあれば、AIに質問したり、周囲の人に聞いたりしながら、疑問を解決しています。
質問は、最初から上手にできる必要はありません。
まずは、「この単語がわかりません」「ここで止まってしまいました」といった小さな疑問を言葉にすることから始めれば十分です。
質問する力は、質問を重ねる中で少しずつ育っていきます。
そして、その力は高校受験の先でも、自分で学び続ける力につながっていくのです。





