毎年9月恒例となった2006年度広島県中高一貫校【学校ガイダンス】(主催 中国新聞社、特別協賛 白石学習院・鯉城学院・ベネッセコーポレーション)が、9月19日(祝)午前10時〜午後4時で、中国新聞社7階ホール・会議室にておこなわれた。
 
 朝からの雨が降ったりやんだりの天気ではあったが、開場前から中学受験をめざす受験生や保護者がぞくぞくとつめかけ、第1会場のホールは午前中で約550席がほぼ満席、立ち見が一部見られ、中高一貫校および中学受験に対する相変わらずの関心の高さであった。
 第1会場のホールは、各学校先生方・生徒を中心とした「本音トークコーナー」と題したパネルディスカッション。第2会場は、各学校と白石学習院、鯉城学院の個別相談コーナー。別室に学校紹介パネル展示コーナーも設けられていた。
   
 
 第1会場のホールのパネルディスカッションは、女子校、共学校、男子校の順で、それぞれ「先生方の本音トーク」、「生徒たちの本音トーク」が6部形式で進行した。「先生方の本音トーク」は、各中高一貫校の先生方による学校の紹介など、「生徒たちの本音トーク」は、各中高一貫校の中学生が学校生活や体験などについて発表した。
以下、パネルディスカッションの内容を簡単にまとめてみる。
第 1部 先生方の本音トークコーナー<女子校>
 参加校は、ノートルダム清心中学・高校(門野 光伸先生)、比治山女子中学・高校(田中 將先生)、広島女学院中学・高校(中 麻奈美先生)、安田女子中学・高校(森 由美子先生)。コーディネーターとして白石学習院(白石 孝学院長)が担当。
・各学校の建学の精神をわかりやすいことばで
ノートルダム清心中学・高校 自分で考えることのできる人、他の人のために尽くす人、他の人と協力しながら工夫し、忍耐強くやり遂げる人を育てたい。
比治山女子中学・高校 「生命を大切にする。そして親の恩に報いる。」時代がどんなに変わっても、普遍的なことではないだろうか。
広島女学院中学・高校 聖書に基づいて生きる柱を育んでいく。その中でも「隣人愛」、他の人のために自分は何ができるか、そして自分を磨いていく。
安田女子中学・高校 「柔しく、剛く」人を思いやり、高い知性と強い意志を持つ。徹底した礼儀指導や毎日の“静座”などを通じて、社会に役立つ人材に育って欲しい。
・各学校の特色ある教育は?
ノートルダム清心中学・高校 “MJプログラム” −感謝する心、学ぶ心、支え合う心、奉仕する心を育むために、カトリック学習や文化学習を行っている。
比治山女子中学・高校 @自然体験を多くとり入れる。A6ヵ年を2年ごとの3段階に区切った指導体制。B国際理解の重要性から英語指導に力点をおく。
広島女学院中学・高校 中学生は、楽しく通学、高校になって高い学力をつける。以前からの国際・女性・人権・平和などをテーマとした指導に加え、最近ニーズの多くなった理系教育指導など、さまざまなチャンスを与えている。
安田女子中学・高校 進路育成プログラム“ウィル・ビー”(なりたい自分、自分の将来像を描く進路指導、職業観意識)に力を入れている。
・入試についての質問と回答<一部抜粋>
ノートルダム清心中学・高校 Q.入試で算数その1(時間15分)とその2(時間35分)との配点差は?
A.明快な返答はないものの、時間に相当した配点差はあるようだ。
比治山女子中学・高校 Q.来年度の推薦入試は?
A.来年度は、教師推薦のみにする。
広島女学院中学・高校 Q.来年度入試は、算国各120点、理社各70点と大幅な算国重視だが?
A.算国は時間のかかる教科でもあり、部分点や到達度など丁寧に見たい。
(全ての学校で、算数の途中式や国語の記述においては部分加点があると明言された)
安田女子中学・高校 Q.入試にはさまざまな工夫があるが、特に算数の奇抜な問題の意図は?
A.単なる受験学習による知識だけでなく、生活や体験などに基づいたさまざまな角度から生徒の能力を観たい。
その他、白石学院長の鋭い突込みにより、面接や学校調査書、補欠の繰上げ合格人数など、なかなか知ることのできない情報も引き出してもらった。
最後に、どんな生徒に入学してほしいか?という質問で終了した。どの学校も一様に、「明るく、素直で、意欲のある生徒」「根気強い、好奇心旺盛な生徒」との回答であった。
第 2部 先生方の本音トークコーナー<共学校>
 参加校は、広島県立広島中学高校(吉賀 忠雄先生)、広島工業大学附属中学・広島高校(梶川 裕治先生)、広島市立安佐北中学・高校(小坂 剛先生)。コーディネーターは、白石学習院(生方 隆継小学部プランナー)。
・各学校の建学の精神は?
広島県立広島中学・高校 校訓の“高い知性・豊かな感性・強い意志”の下、中期達成目標(3年後)として@生徒・保護者の学校満足度90%以上、A生徒の授業満足度80%以上、B1期生国公立大学合格者数70%以上を掲げている。
広島工業大学附属中学・広島高校 「21世紀型高学力の養成」社会に出て必要な能力=興味を持ち、じっくり考える、創造する力をつけること。そして国際性を養い、創造力を磨いていくために、多彩な学びのチャンスがある。
広島市立安佐北中学・高校 「自己に挑戦し、社会貢献できる人間の育成」すなわち、より高い目標に挑戦し、国際的視点で考え・行動できる、人のために役立てるような生徒像を目指している。
・各学校の教育の特色は?
広島県立広島中学・高校 学習意欲の喚起、基礎基本の確実な定着を図ることを大きな目標にしている。今年6月の広島県公立中学2年の基礎基本学力調査では、国数英全て平均90%以上の正答率を出した。論理的思考力・表現力の育成にも力を入れている。
広島工業大学附属中学・広島高校 学ぶ楽しさや自分の成長が実感できる体験型学習プログラムである。交換留学、自然体験合宿、目的別修学旅行など、将来の大学入試や社会に出て、国際性、創造性、自己発信できるように、さまざまな“しかけ”を与えている。
広島市立安佐北中学・高校 自己実現力の育成をキーワードとし、学力向上を目指して少人数クラスでの習熟度別授業、個人の希望に即したカリキュラムの選択授業、将来を考える広島学、英会話などの安佐北チャレンジといった独自の時間も設けている。
・入試についての質問と回答<一部抜粋>
広島県立広島中学・高校 Q.適正試験と科目の勉強は?
A.小学校で身につけた総合的な力を見たいということから、算数の力や文章を読みとる力もいる。科目の知識も交えながらのさまざまな課題から、思考力や説明する能力などを測っている。
広島工業大学附属中学・広島高校 Q.問題レベル、特に理科はかなり難化しているのでは?
A.教育目標に沿って、小学校指導要領範囲内での思考力を問う内容は、今後も続く傾向にある。国語でも、最近の入試では表現力をみるために、最後に自分の言葉で考えをまとめるような問題が必ず出ている。
広島市立安佐北中学・高校 Q.適性検査はどんな内容か?
A.小学校で学んだ基礎的知識を元にした、課題解決能力を見る試験である。
その他、面接のし方や合否判定の男女枠の有無などについても質問した。特に広島県立広島中学校の適正試験については、これまでやや不透明な感じがしていたが、かなり具体的にお答えいただくなど、塾ならではの質問に、会場の保護者は身を乗り出して聴き、メモを取っておられた。
第 5部 先生方の本音トークコーナー<男子校>
 参加校は、修道中学・高校(山内 俊二先生)、崇徳中学・高校(山本 秀樹先生)、広島学院中学・高校(倉光 望先生)、広島城北中学・高校(中川 耕治先生)。コーディネーターは鯉城学院(角谷 勝巳学院長)。
・男子校らしさ(各学校の特色)は?
修道中学・高校 一言で「自由」。中学の制服から高校への段階的な私服登校など、各自に自分で考えさせる、責任を持った自由といえる。
崇徳中学・高校 野球や柔道などのクラブ活動のみならず、いろいろな事にナンバー1にこだわる生徒や先生が多い、学校全体にそうした雰囲気がある。
広島学院中学・高校 特徴的なことは、動き回って汚してもよい快適な校内服と、2時間目の終了時に行う、上半身裸での中間体操。
広島城北中学・高校 生徒同士あるいは生徒と先生の仲がとてもよいところ、もちろん個性を大切にしながら。
・ユニークな部活、人気のある部活は?
修道中学・高校 サッカー、野球部、ワンダーフォーゲル部、スクールバンド、水球 など
崇徳中学・高校 野球部、柔道部、テニス部、バレーボール部、 など
広島学院中学・高校 サッカー、硬式テニス部、化学部、囲碁・将棋部、ジャグレンジャー など
広島城北中学・高校 少林寺拳法部、自転車部、アメリカンフットボール部 など
その他にも、「生徒がよく勉強するのはいつか?」「体育祭や文化祭の見所」など、単問形式でテンポよく進行した後、入試についての具体的な質問に入った。
・入試についての質問<一部抜粋>
質問
入試で、字が汚いのは減点する?
算数で、計算式ができていれば答が違っていても加点することがある?
漢字指定や書き抜き条件に合っていなければ0点である?
最近、問題をよく読んでいない答案が多い?
                                  
最後に各中学校の先生による、受験生へのエール。「中学に入ってから頑張れる力をつけておいてほしい」(広島城北中学・高校)、「入試日に向け、体調に気をつけて」(広島学院中学・高校)、「落ち着いて、自分のペースで」(崇徳中学・高校)、「合否という結果はあるが、受験は人生にとってプラスになる」(修道中学・高校)
第2部・4部・6部では、生徒たちの本音トークコーナー
 各中学校の生徒たちに登場してもらい、「各中学校の良いところ」「制服は気に入っているか?」「現在の家庭学習の時間やもっとも時間のかけている科目」「部活との両立や学校行事」「受験勉強中の親との関係」など、鯉城学院の先生のリードのもと、楽しい時間であった。
 
第2会場 学校・塾・個別相談会コーナー
 第2会場の学校・塾・個別相談会コーナーも、朝から午後の終了まで保護者・生徒が質問や内容の説明を聴くために列をつくっていた。当院の受験相談ブースでも、現状の学力と志望校選択や学校レベルについての相談など、当院の受験ベテラン教師が丁寧に一人ひとり対応させていただいた。
 
 後4ヵ月後に迫った来年度入試に向け、各学校の先生の「今からでも間に合う」という言葉に、決意も新たにした多くの小6受験生や保護者は、各学校パンフレットや受験情報資料を抱えて帰宅の途についた。
 最後に、これから各中高で行われる学校説明会はもちろん、体育祭や文化祭にもできる限り参加していただきたい、ということを追記しておきたい。

 

 

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