平成 16年度 全体会の報告

 2004年7月17日(土)、南区民文化センターにて「平成16年度全体会」が行われた。

 

 今年のテーマは「未来への選択」。教育行政がめまぐるしく変わる中、これからは各学校の独自性が問われ、学校が生徒や保護者に選ばれる時代になってきた。こうした中、魅力ある学校づくり、生徒・保護者により満足を与えられる教育内容をアピールすべく、公立・私立の中学・高校に参加いただいた。

 第 1部は小学生と保護者対象の中学入試、第2部は中学生と保護者対象の高校入試。すっかり夏空の好天に恵まれ、昼過ぎから白石学習院全教室より当院専用バス送迎や自家用車による生徒・保護者の方々がぞくぞくと詰め掛け、午後1時開始の時点で約550席の会場は、すでに立ち見が出るほどの関心の高さであった。

 開会後、まず白石学習院学院長の挨拶。白石学院長は “自己挑戦の夏 夢を現実に” と題して、Jリーグ昨年度年間総合優勝の横浜Fマリノスの復活や広島カープ「赤ゴジラ」こと嶋重宣選手の 10年目の開花などを例に、「念ずれば花開く(諸葛亮孔明)、明確な目標と強い念願を持って、この夏は自分への挑戦、とことんやってみる夏にしよう!」と激励をおくった。 続いて、SGチャンピオンシップ連続チャンピオン、読書感想文コンクール最優秀賞、速脳速読トレーニング奨励賞、中学生模擬試験各学年優秀者の各種表彰が行われ、いよいよ第 1部では各中学の学校アピール。県立広島中学(安井盛一先生)、広島学院中学(前廣等先生)、ノートルダム清心中学(門野光伸先生)、広島工業大学附属中学(梶川裕治先生)、修道中学(山内俊二先生)、広島女学院中学(星野晴夫先生)。

 第 2部では各高校の学校アピール。県立広島高校(春山かおり先生)、国泰寺高校(小西省一先生)、基町高校(菅本和秀先生)、工大附属広島高校(梶川裕治先生)、修道高校(田原俊典先生)、広島城北高校(中川耕治先生)、山陽女学園高等部(蒲谷秀明先生)により、各限られた時間ながら、特色や学校の様子などをアピールしていただき、当院教師からの質問にも明快に答えていただいた。

 この後は、各中学・高校の生徒に出演してもらい、在校生アピール。各学校の授業や部活のこと、名物先生、一番楽しいこと、また自慢できることなど、司会進行のリードのもと、時には爆笑解答などもあり、会場の未来の生徒たちも身を乗り出して聞いていた。

 
 今年の全体会の特別ゲストは、広島女学院中学高校吹奏楽部の皆さんの演奏。
  指揮は、綿田勝先生。  演奏曲目  1.「祈りの旅」(北爪道夫作曲) 2.グローバル・ヴァリエーション(ナイジェル・ヘス作曲) 創立 20年目を迎えた吹奏学部。日本吹奏楽部コンテスト全国大会で最優秀賞の受賞など、過去何度もさまざまな大会で輝かしい実績を残す名演奏に、会場は感動と割れんばかりの拍手であった。

 また、恒例の白石学習院教室紹介とクイズ大会。教室紹介は、各教室の教師のパフォーマンス大会。大爆笑の連続で、参加した生徒はさらに元気をもらったようだ。

 小学部・中学部それぞれ約 2時間の全体会は、さまざまな内容で進行したが、終了後の生徒や保護者の顔は、いずれも納得・満足の笑顔での帰路であったようだ。

以下、各中学・高校のアピールを簡潔にまとめてみた。

※掲載順序は、講演順

●県立広島中学・高校

 今年東広島市高屋町に開校した、県立中高一貫校。「高い知性 豊かな感性 強い意志」という校訓の下、グローバル化時代に活躍する人材の育成を教育方針とする。向こう 3年の中期目標を「@生徒・保護者の学校満足度90%以上、A生徒の授業満足度80%以上、B1期生国公立大学合格者数70%以上」とし、達成すべく具体的なカリキュラムや生徒の授業の様子、行事や部活の様子など、はつらつとした希望に満ちた生徒の様子が映像とともに紹介された。特に、高校ではチームティーチングなどの卒業研究や総合学習時間の内容、習熟度別授業や体験学習を採り入れた教育課程など細やかな指導の一端が紹介された。広大な敷地に、新しい校舎などすばらしい教育環境には、ためいきがもれる場面もあった。 「歴史は君たちが作るんだ」とのアピールは印象的であった。

●広島学院中学

  43期生卒業式の生徒代表挨拶を引用。「入学当時の松本校長の言葉−君たち一人一人が一本の木となり、大きな森をつくりなさい−から、学院中での6年間で、集団の中での自分の役割を自覚し全うすること、父母・友人・学校など自分をとり巻く全てに感謝する心を学んだ。」と。広島学院に入学した生徒が皆、まさにこのような生徒に育ってほしいと考えて、日々の教育を実践している。正面の映像には、登校風景、校内着とトレパン姿での授業風景、中間体操、昼食時間、クラブ活動、下校風景などの1日の様子やフィリピンの高校との国際交流場面が映し出された。学院のイメージ=“勉強だけ”という誤解を払拭するお話であった。

●ノートルダム清心中学

 「心を清くし、愛の人であれ」を教育理念とし、「清楚であれ、質素であれ」−物、人、環境、自然を大切にする気持ち実践している。マザー・ジュリーの教えに導かれながら、清心独自のMjプログラムは、「感謝する心、学ぶ心、支え合う心、奉仕する心」を育むために、カトリック学習、文化学習、人権平和学習、ボランティア学習、国際交流活動、性に関する学習の 6つのテーマで実施している。こうしたプログラムにより、人に対する心や自分と向き合う心を養い、他の人を幸せにする積極的な心を培っている。「素直に人の意見に耳を傾ける生徒に来てもらいたい」との締めくくりであった。

●広島工業大学附属中学・高校

 教育目標「 21世紀型高学力の養成、国際性の涵養、創造力の錬磨」を実現させるために、多彩な学びのチャンスがある。21世紀型高学力とは、社会に出て必要な能力=興味を持ち→じっくり考える→創造する力をつけることである。そのためのカリキュラム、授業シラバス、オリジナル教材を数年前から研究し、実践してきている。特に当校独自の人間科。人が生きることをテーマに、ロールプレーイングやディスカッションをふんだんに採り入れた授業、自然体験合宿・ニュージーランド交換留学など多様な体験への積極参加で、自己実現すなわち自分を誇れる人間を育てたい。常に将来を見据えた改革と実行が伝わってくる。

●修道中学・高校

 修道学園の授業風景や部活、学校行事などが次々と映し出される。教学の目標は「知徳併進」、 279年という広島でもっとも伝統のある学校。校風は、自由である。すなわち禁止事項がないということ。よく言われる服装も自由であるのはなぜか?自律の精神を育てたいから。学校行事やクラブ活動など授業外活動も活発で、全国レベルで活躍するクラブもいくつかある。一方勉強は1日6コマの授業で、固いイメージかも知れないが、やる時はやる。6ヵ年を3段階に分け、それぞれの段階に応じた教育目標を掲げて指導を行っている。小学校を卒業したばかりの“子どもたち”が、6年後にはりっぱな大人になって卒業していく。高校では、来年度募集は推薦入試1本ではあるものの、内申点制約や先願的制約を取っ払い、自由に受験できるとする大変革の発表。男子校だが友達はすばらしい、部活がさかんで全国大会にも多く出場、国公立難関大・医学部に多く合格。楽しく、充実した高校生活を送りたい生徒は、是非来て欲しい。と、いつもながら田原教頭の歯に衣着せぬ話しぶりであった。

●広島女学院中学

  119年前の開校という伝統のある女子教育を実践。毎日、礼拝の時間をもうけ、自分自身だけではなく、周囲の人々や社会に思いやりを持つことを確認している。ボランティア活動、ホームステイや海外留学生との交流、特に昨年は日米高校生平和会議を行うなど、国際交流が活発である。そのために、英語教育には力を入れていて、少人数教育で生涯を通して使える英語を身につけるカリキュラムが組まれている。高校2年時で生徒は英検2級を目指している。また、女性としてどのような生き方をしていくか、既存の古い女性像にとらわれず、一人の女性として社会に出て積極的に活躍できる女子教育を実践している。

●国泰寺高校

 フェニックス・プロジェクトという改革が着実に結果を出してきている。“総合的な人間力を高める”すなわち、@「志」を高める教育、A高品質の授業、B活力がみなぎる学校生活、を教育の柱とする。学力をつけるための授業やテストなどの工夫、教育課程の紹介、さらに理数ゼミやスバル天文台見学などのSSHとしての取り組みが、映像と共に紹介された。こうした数年来の改革は、年を追って生徒学力を向上させ、国公立大学合格実績(達成率)は、他の市内公立高校平均より圧倒的に高く、現 1年生の卒業時には、確実に難関大を含めた国公立大学実績は200名台に達すると予想できる。グラフ化されたデータに基づいた説明には、説得力があった。

●基町高校

 普通科普通コース・創造表現コースそれぞれ、お互いを尊敬しあう、とてもいい雰囲気で学校生活が送られている。学校設備面のみでなく、都心部にあるという立地条件はさまざまな文化施設などに近いという、抜群の教育環境にある。国公立大学進学希望の生徒が圧倒的に多く、各生徒のモチベーションを大切にする指導を行っているが、国公立大学の合格実績は、今年 200名を超えた。先輩たちに聞くと、「勉強は大変、宿題は多い」と、やや“勉強の基町”というイメージがあるかもしれない。しかし、クラブ活動もさかんで生徒の約85%が何らかの部活を行っている。生徒の満足度を大切にし、勉強と部活が両立できる学校である。

●広島城北高校

 ほぼ完成した新校舎、明るい教室やさまざまな新設備の紹介。いっそう学びの環境が整った。クラブ活動はもちろんさかんだが、生徒がよく勉強する。学校・教師は、その生徒たちのサポート役。学習合宿を行ったり、キャンパス体験ツアーを行ったりして、大学の先生による模擬授業の体験や講義など、毎年さまざまな試みがなされている。また、定評あるいろいろな科目の補習には、多くの生徒が積極的に参加している。こうした地道な取り組みの結果、全国の企業が評価する大学ベスト 30(東大・京大・早稲田大・慶応大・広大など;週刊ダイヤモンド社)への合格実績は、毎年230名を超えている。新しいキャンパスは是非チェックしておきたいものだ。

●山陽女学園高等部

 建学の精神は「未来に輝く女性を育てる」。自立・自律できる女性を多く社会に送り出したい。そのためには、実際の経験に基づいた知識を身につけさせることを重視している。ボーダレス社会に向けてのノウハウの蓄積がある。すなわち、約 30年前から始まった韓国をはじめとした海外の修学旅行や、短期海外語学研修、半年間の海外留学、また、外国からの留学生も毎年多く受け入れている。このように英語に力を注ぐのはもちろん、今年から受験国語のカリスマ出口汪先生の「論理エンジン」の導入、「理数科課題研究プログラム」の実施という、国語・数学にも力を入れ、さらに多くの生徒を、国公立大学に合格させようとのプロジェクトが進行中である。

閉じる